商店街が育てる居場所事業

2016年1月25日 02時37分 | カテゴリー: 活動報告

 12月21日、相模原市の生活保護世帯を中心とした子ども・若者支援の取り組みについて南生活支援課から説明を受け、“居場所事業”の1か所、東林間駅そばの“piece”を視察しました。 “piece”については、昨年11月2日、自立支援に取り組む相模原市地域福祉担当課から、困窮家庭の子どもの学習支援・居場所と困窮者の就労支援を中心にお聞きしましたが、今回はいよいよ現場に伺うことができました。

 居場所事業は、若者サポートステーションの中で中学校、高校、20代、30代と継続的な見守り支援が必要とのことから、高校生や若者を対象に、市内4か所、若者サポートステーション内やアパート、商店街の空き店舗等で実施し、若者サポートステーションの委託を受けているNPO法人文化学習協同ネットワークが4か所分5700万円の委託費で運営しています。

 “piece”は「食育」に力を入れていて、安心できる居場所として、皆で食事を作って食べたり、勉強したり、人間関係をつくる場となっています。高校生の半分は通信制・定時制ということもあり、週の半分の開所曜日は10時30から開けています。商店街の空き店舗を活用しての設置なので、商店街の行事(あわおどり)や清掃参加、商店街との協働による就労体験も行っています。常時の職員は2名以上で、30人の若者の登録があり、そのうち生活保護世帯ではない生活困窮者は1人とのことです。対象は生活困窮者も含まれるけれども、周知が難しいので、多い中央区でも1割とのことでした。対象を困窮者にしていることについて気になる親もいるが、当事者の若者は気にしていないとのことだったのでほっとしました。

 一方、座間市では、生活困窮者自立支援制度の任意事業の学習支援の補助金を使って、昨年4月から生活保護家庭の小・中学生の不登校児対象に子どもの健全育成指導員を置き、既存の不登校の学習支援につなげられる子どもも出てきています。

 生活困窮者自立支援制度実施前ですが、厚労省の社会福祉推進事業として、市町村アンケートを実施(2013年)した「子ども・若者の貧困防止に関する事業の実施運営に関する調査・研究事業報告書」(2014年3月)によれば、学校での学習事項の補修復習が80.1%を占め、進学のための受験指導が62.8%を占めています。同時に、「子どもの居場所としての機能」が48.7%、生活支援(身辺自立・生活スキルの育成)が26.3%、保護者に対する支援が45.5%も実施されています。学習支援だけでなく、生活全体の包括的な支援が必要と指摘しています。

 相模原市では、中学生を対象に学習支援(すだち支援事業)、高校生以上の若者を対象に生活支援・就労支援(居場所支援事業)を行っています。では、座間市では、子ども・若者にどんな支援が必要なのか、座間市の生活保護家庭の高校進学率は90.9%、全日制50%、定時制33%、通信制10%、特別支援学校6%という相模原市よりも低い数字はありますが、高校生以上の若者の困難な状況はつかめません。しかしながら、生活保護に限らず幅広い困窮家庭の子どもへの支援と、学習支援にとどまらない生活支援となる居場所の機能、そして現場の支援者だけでなく、商店街のような社会とつながる支援者とのかかわりも必要と考えます。ニーズはどこにあるのか、実態調査の実施を働きかけていきます。