公共施設再整備計画は計画策定の段階から、市民との意見交換の場を

2017年7月2日 16時22分 | カテゴリー: 活動報告

今後の公共施設のあり方について、2013年に「座間市公共施設白書」を完成、2014年に「座間市公共施設利活用指針」の策定、翌2016年には都市基盤の施設も加えて「ざましアセットマネジメント基本方針」を策定、この3月には「座間市公共施設再整備計画基本方針」が策定されました。

今回策定された「座間市公共施設再整備計画基本方針」には、①今後の施設管理・維持についての財政計画がない②市民の公益活動をどうとらえるのか③災害時の施設対策・空き地の視点がない④再整備計画策定時における市民参加の場がない、という問題があると考えます。そこで、6月の一般質問では以上の4点について問いました。

まず財政計画についてですが、この基本方針では、施設3割縮減の根拠を、ここ3年間の平均普通建設事業費(注1)と全施設維持の費用試算(注2)の差から、6億円が不足と算出しています。しかし、この普通建設事業費額は白書作成時のころであり、それ以前はもっと少なく、一方直近の3カ年では、約2.7倍になっています。したがって、この普通建設事業費規模をどうみるかで必要な資金額が変わります。また、市の貯金となる、財政調整基金も2013年から2015年では14億円ほどが確保されましたが、以前は10億円以下の時もあり、昨年度は多くを使ってしまいました。こうした不確定要素の中で、今後、高齢化や格差の拡大も危惧されることから、社会保障費用の増大が予想されます。したがって、整備費用を少しずつ積み立てていく必要があると考えます。習志野市では、施設の減価償却分を積み立てていくとの考え方から、「公共施設等再整備基金条例」をつくり、公共施設再生に係る基金に毎年1億円積み立てるルールをつくっています。条例化することで、これから策定する公共施設再整備計画の財源として見えるものになることから、公共施設再整備を目的とした基金の創設が必要と考えます。

財政計画に関連して、公共施設使用料の課題があります。公共施設利活用指針の方針では、運営コスト削減策として“受益者負担の適正化“という考え方を示し、この3月に「公共施設使用料設定に当たっての基本方針改定案」が出されました。そのパブリックコメントでは、199人から641件という非常にたくさんのご意見が寄せられました。その3割弱(27.9%)の意見が使用料改定に反対するものです。パブリックコメントには、市民活動は受益ではないとの趣旨の声が多数寄せられています。「受益」の考え方についての議論が必要です。生産年齢人口の減少、高齢化の進む中では、公共性の高い、市民の公益活動によって、市の事業や市民のサービスは支えられていく割合が高まります。市民の活動を受益と位置づけるのか?受益の視点から公共施設使用料の徴収を求めるのは難しいと考えます。また、改定案では使用料が発生する施設の100%減免はなくなり、最大の減免でも50%の減額との案となっていることから、現状よりも使用料収入は増えると考えられます。しかし、座間市公共施設白書では、「使用料・交付金・国庫支出金・助成金・物資売り払い代など収入総額は約7億300万円程度であり、フルコスト合計金額の1.8%にとどまっている」とあるように、再整備の財政資金としてはごくわずかです。こうしたことから、使用料の改定は、再整備における財源としてわずかながらも市民が分担していく必要がある、との観点から理解を求めるのが説得力を持つと考えます。

次に、この基本方針には災害時の施設対策・空き地の考え方がありません。施設、学校、コミセン、公民館3館、青少年センター、サンホープ等は、災害時の避難所と規定されていますが、再整備計画基本方針では、再整備計画手法として、複合化・統廃合・機能移転、等の方向が示されています。災害時の施設のあり方について触れられていません。 避難所は各地域に分散する必要があり、各施設の複合化、統廃合の決定は、各地域での避難所機能も併せて行っていく必要があると考えることから、再整備計画策定にその観点を含めていくべきと考えます。習志野市では、再整備計画に避難所の視点を入れています。また、災害時の空き地の課題ですが、県内でも大和市、横浜市に次いで人口密度の高い座間市においては重要です。テントなどの設置も可能であり、一時避難場所ともなります。基本方針では、市保有地について、公共施設の建て替え候補地・貸出・売却といった活用策の検討、市全体での土地利用の最適化を行うとあるだけで、災害対応の空き地としての視点が見られません。

一番の問題は、今後市民の合意をどのように高めながら進めていくかです。この間、公共施設白書の作成後、公共施設利活用指針、公共施設再整備計画基本方針の策定、公共施設の使用料の改定にあたり、市民参加の場はアンケートとパブリックコメントのみでした。これからの再整備計画策定に向けて、方針策定時に実施した市民アンケートを基礎資料として活用するとのことですが、このアンケートは3000発送して、1163回答の有効回答38.8%と低いものです。有権者数から言えば約1割の声です。公共施設数を減らさなくてはならない中で、地域に必要な機能はなにか、市全体で必要な機能はなにか、市民が必要とする機能は何か?その優先度はどうするか、地域ごとに、また年代ごとに多様なニーズがあると思いますが、市民の財産である公共施設の決定は、市民の討議を経て、合意を高める過程をつくるべきと考えます。

今回の公共施設の使用料設定に当たっての基本方針についてのパブリックコメントでも、公共施設の今後のあり方等を市民に知らせてほしい、説明が必要、市民の意見を聞く公聴会開催を望む意見もありました。先進市の取り組みを見ても、策定段階からの丁寧な説明と意見交換が、市民の理解を高めています。これから2カ年の計画策定の段階から、市民との意見交換の場をつくるよう働きかけていきます。

注1) 13億6100万円/年     注2)19億4770万円/年(全389億5400万円/20年)