子どもの貧困ー制度が子どもの学び・食・住を保障しているのかー

2018年1月27日 07時14分 | カテゴリー: 活動報告

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 1月25日神奈川県弁護士会による日本国憲法施行70週年記念連続講座 憲法は生きているのか?第5回子どもの貧困ー現状と解決策― 首都大学教授で子供・若者貧困研究センター長の阿部 彩さんのお話を聞きました。阿部さんは2016年に墨田区・豊島区・調布市・日野市の4自治体19,929世帯を対象とした子どもの生活実態調査(小学校5年生、中学3年生、16~17歳の3つの年齢)を実施し、調査から見える住、食、医、学、孤の問題について報告がありました。

 調査では、世帯を困窮層、周辺層、一般層に分けて比較しますが、その定義をアンケートで世帯の所得計算をするのは難しいことから、子どもの所有物と体験の欠如の数と、水道光熱や電話・家賃・食料・衣服がいくつひっ迫したことがあるか、の数で分けています。生活困難層の割合は年齢が高くなるほど増え、16~17歳では困窮層が6.9%、周辺層が17.1%、合わせて2割も占めています。公共料金の滞納では、3%の家庭で滞納があり、困窮層では3割が滞納したことあり、また困窮層の3割が借金、4割が貯蓄を取り崩している、また家計が厳しいと圧縮するのは食費となるが、1割の家庭で食料が買えなかったことがあるとなっています。医療関係では若者調査(16~23歳)の公的健康保険の加入割合が低い(9.6%が未加入)ことも問題と挙げています。また学びの面では、小学5年生の13%が、中学2年生の24%が、16~17歳の30%が授業がわからず、中学2年困窮層では5割近くが授業がわからないとなっています。私立高校に通っている一般層の最も多い理由が教育の質の高さであり4割強を占めるのに対し、困窮層の理由として最も多い5割が公立に落ちたからでした。親の状況では、貧困はひとり親が多いと言われるが、半分は二人親世帯であり、二人親の1割強が二人とも正規ではない働き方だという他、様々な観点から生活困難層の子どもへの複合的な貧困が浮き彫りとなった調査でした。

 阿部さんは、公共料金というが水道以外は運営が民間であるが減免制度が必要ではないか?学校に通っているが困窮層の5割がわからないというのは学びを保障しているとは言えないでは?野菜が高い時だからこそ学校給食で野菜をきちんと提供すべきではないか?就学援助に部活の費用が入らないところが多いがどこまで保障すべきなのか?などなど提起されました。そして、現在、子ども食堂や、無料学習支援など(生活困窮者自立支援制度の関係もあるが)市民の善意がクローズアップされているが、憲法25条の生存権として十分ではないことを怒らなくてはならないと結んでします。

社会学者の 大沢真理さんが「日本の税・社会保障制度はOECD諸国の中でも最も累進性が低く、特に社会保険料は低所得の人ほど相対的に負担が重い」と書いているのを思い出しました。格差が広がる中では社会保障制度を抜本的に変えていく必要があると考えますが、まずは自分の住んでいる自治体で制度の改善に声を出していきます。