エンカウンター支援で困窮者への就労準備支援

2018年5月9日 01時57分 | カテゴリー: 活動報告

貸し出し用の背広・靴を用意

5月8日、就労支援プロジェクトの活動で、世田谷区生活困窮者自立相談支援センター「ぷらっとホーム世田谷」を訪問しました。「ぷらっとホーム世田谷」は、生活困窮者支援をトータルにワンストップで行っているセンターで、自立相談支援・家計相談支援・住居確保給付金を社協に委託(加えて社協事業の受験生チャレンジ支援貸付・生活福祉資金貸付も)、就労支援(就労準備支援・就労訓練も)を株式会社パソナに委託しています。社協職員16人、パソナ社員13人の体制で、当日は社協自立支援課長の渡辺さん、係長の杉本さん、小畑さん、パソナグループリーダーの小川さん、区生活支援課長山本さん、係長の山中さんからお話を伺いました。90万人の世田谷区はモデル事業として2014年からセンターを設置しているとのことですが、子どもの学習支援は地域の居場所 の活動を行う市民の協力を得て現在5カ所で行い、任意事業全てを実施しています。
自立相談件数では315件(2017年度)と、人口13万人の座間市の2016年度のほぼ同数(座間市314件)ですが、新規プラン作成数が座間市3割(92件)に対し7割(218件)と高く、就労支援受け入れのうち6割が就労決定しています。窓口にくる方が座間市とは大分違うのではないか、座間市は生活保護受給に至る方が多いのではないかと推測しました。

興味深かったのは就労準備支援としての居場所支援でした。座間市では昨年10月から就労準備支援事業がスタートし、支援の担い手から居場所機能の必要性を聞いていましたが、さらに掘り下げたのものでした。世田谷区の居場所支援(週1回のぷらっとカフェ①漫画喫茶を利用②レンタルスペース)は、窓口に来た方を見て声掛けし、社協職員が入ってのエンカウンター支援(グループセラピー)をしています。ここにはハローワークのナビゲーターも常駐しているとのことでしたが、相談しやすい環境をつくろうと努めており、グループで活動することで忘れていたことがよみがえるとのこと、成果を上げているようでした。座間の就労準備支援を行う「はたらっく・ざま」にも伝えてみたいと思います。

就労訓練事業所は4法人ありますが、就労訓練は受けても就労を受け入れるのは難しく、就労を受け入れているのは働きにくさを抱える人への支援を行うワーカーズNPO法人コンチェルチーノだけとのことでした。就労訓練には清掃や組み込み作業やポスティング等のメニューがあり、就労訓練して就労する人は少ないとのことでしたが、2017年度は生活困窮者は7人で全員就労したとのことです。就労準備支援事業に短期間の体験就労(中間的就労プログラム)がありますが、就労訓練事業で雇用型と非雇用型の中間的就労を行っています。座間市では無料職業紹介事業の実施を活かしてオーダーメイドの雇用を年々増やしていますが、横浜市の事例を聞いても、就労準備支援ではやり得ない、ある程度長期の中間的就労を就労訓練事業でやっていく意義はあると感じました。それには訓練事業を担う事業者の協力が必要ですが…

家計相談支援事業では、支援決定しないと法定の家計相談の書類は作成できないが、区独自で作成した簡易な家計シートを9割の人にやってもらい家計の見える化によって改善にできる人も多いとのことでした。座間市では、初年度2015年の相談内容において債務や家計管理に課題がある人が最も多かったことから2016年度から家計相談支援事業を始めましたが、2016年度の初回アセスメント77件の課題の約39%が経済的困窮や債務・家計管理の課題にもかかわらず、家計相談支援を受けたのか3割です。座間市では最初の自立相談から家計相談員に同席してもらうとのことなので、自立相談で世田谷区のように簡易なシートを使い見える化をおこなうことは相談者にとって有益ではないかと思いました。

生活困窮者自立支援は各自治体の創意工夫が見られるので学びになります。