ゲノム編集は遺伝子組み換え、食の工業化・外部化が進む

2019年2月10日 14時13分 | カテゴリー: 活動報告

 

 

   2月9日、市民セクター政策機構主催のセミナー「ゲノム編集と食品表示」に参加しました。「ゲノム編集の問題点―科学技術社会学の観点から―」と題して、東京都市大学環境学部教授の大塚善樹氏の講演があり、続いて生活クラブ連合会品質管理部長の槌田博氏から「消費者の知る権利に応える―加工食品の包材表示」、生活クラブ連合会企画部長の前田和記氏から「GM食品表示制度の行方」の講演がありました。

 米国ではゲノム編集技術を使った農作物について規制をかけない方針なので、表示がないまま米国からゲノム編集農作物が輸入されることになります。一方、EU・ニュージーランドはゲノム編集による遺伝子の改変もダメと規制対象となり、表示義務が生じます。このなか、日本は外来導入遺伝子が残らなければ、また遺伝子を切断し修復したのが自然界で起こり得るゲノム編集ならば、遺伝子組み換えとは違うとの見解で、ゲノム編集による農作物の栽培を解禁しました。

 大塚先生よれば、ゲノム編集はGMOよりも効率よく、特定の遺伝子をねらってより正確に思いどうりに改変できる、遺伝子組み換えはほぼ植物に限られていたものが、遺伝子を改変する効率が高まったことで動物、人間の改変も可能になってきたとのことでした。しかし、科学技術は特定の人が意図をもってつくるものであり、ゲノム編集技術の褐変抑制については、見た目向上を目的とした、外食産業や流通産業向けのものとのことです。ゲノム編集により、食の工業化・外部化が進み、食と農の距離をさらに拡大させるとの談があり、安全な食品を求める消費者のための技術革新ではないことは予想をした通りでした。

 農水省は外来遺伝子が残らないゲノム編集は許可するとのことですが、大塚氏によれば、外来遺伝子を入れないNHEJ(非相同末端結合)修復による結合は遺伝子を導入した痕跡が残らないということだが、特定の配列になっているので検出はできるとのことでした。ゲノム編集でつくられたすべての作物への安全性審査を実施し、消費者が選択できるよう、表示の義務付けを働きかけていきたいと思います。

 また、昨年3月に出された遺伝子組み換え表示検討会の報告が、消費者委員会食品表示部会の提案となり、2023年4月に施行となりますが、遺伝子組み換え食品の表示では、今回の改定で、分別流通していて5%未満の意図しない混入も「遺伝子組み換えでない」と表示できなくなります。これにより、「遺伝子組み換えでない」食品表示が店頭から消え、消費者の認識から消えてしまうことが危ぶまれます。生活クラブ生協は、「出ない(ものを分別)」表示をできるだけ使用していきたい、表示文言を消費者庁と交渉していくとのことでした。EU並みの遺伝子組み換え食品表示を求めた意見書を2014年6月市議会に提案し可決となりましたが、再度ゲノム編集と合わせて働きかけていきたいです。