原発事故による子どもの甲状腺がんへの支援体制の整備を

2018年7月22日 08時33分 | カテゴリー: 活動報告

7月19日、福島原発事故後の子どもの甲状腺がんについて、NPO法人3・11甲状腺がん子ども基金の専務理事吉田由布子さんからお話を聞きました。チェルノブイリ原発事故では、子どもの甲状腺がんは放射線との因果関係が唯一認められているとのことで、きちんと検査が行われ事故後4~5年目から甲状腺がんが急増している実態が分かっています。また、慢性疾患等健康でない子どもが増えているとのことでした。一方、日本では事故時の放射能は1都15県に及んでいますが検査は福島県のみの実施です。(その調査にも不備があり、健康調査で経過観察とされた後がんと診断された人は人数に含まれていなかったことが最近わかりました。)しかも「原発事故子ども・被災者支援法」が制定されましたが、医療支援も十分でありません。こうしたことから、吉田さんらは2016年、「3・11甲状腺がん子ども基金」を設立し、治療費のみならず何に使ってもよいと患者の治療環境と生活の質の向上につなげることをめざした支援「手のひらサポート」事業をしています。国の体制づくりを待っていては子どもたちは手遅れになってしまうから市民がつくっていくのだという気迫を感じました。

驚いたのは、これまでの給付事例120人のうち29%35人が県外の子どもということです。しかも35人のうち3割を超える12人がアイトソープ治療という転移の治療をしています。甲状腺がんが発見された県外居住の子どもが、福島県から転入してきたのか、他県居住で被曝したのか不明でしたが、福島県以外だと検査が行われないため重症になってからわかる傾向があります。このような子どもが一人でも出ないよう、該当のすべての自治体で検査をすべきと思いました。チェルノブイリでは、国が汚染を認めてそこで暮らせるよう保障やサポートしているとのことです。日本では国がきちんと対応していこうという姿勢がないために、「風評被害」を抑えるため福島の市民が被曝をないものにする空気をつくっています。国のあり方が招いた被害に対し、保障やサポートが当然受けるべきものとはなっていないことを知りました。ともに声を上げていきたいと思います。