小学校給食現場での過去の石けん洗浄試行を生かし、どうしたら取り組めるのかの視点で先進自治体への視察を!

 市内11校の小学校給食は、各校自校調理方式が取られ、栄養士さんも市採用の方含め各校1人の配置がされ目が行き届く運営をしていますが、食器や器具類の洗浄には課題があります。教育委員会は各校に年間1缶ずつ純石けんを配布していますが、その他は、60%石けん分、40%が合成洗剤である複合石けんを使用しています。石けん業界ではこれは合成洗剤の範疇に入るものであり、石けんメーカーはこの複合石けんを扱っていません。

今議会が最後の一般質問となり、これまで数度働きかけても難しかった、給食現場での石けんの使用について、どうしたら行えるかの視点で検討していくことを訴え問いました。

 県内の自治体、わかるだけでも、海老名市、相模原市、大和市、川崎市、藤沢市、茅ケ崎市、平塚市、横須賀市、厚木市では、学校給食の食器等の洗浄に、石けんが使用され定着しています。大和市は2013年4月から石けんへ切り替えました。

 他自治体では、環境・人体への安全性から石けん使用の方針をもち、栄養士さん、調理員さんがせっけんの優位性を理解していました。“石けんしかないからこれが当たり前”、との言葉もありましたが、石けんへの熱意や石けんを使いこなそうとする工夫をされていることを知りました。安全性が求められる学校給食だからこそ石けんを使用していると考えます。

 石けんは動植物の油脂と苛性ソーダのみで作ることができ、工程が単純で、薄まると簡単に分解してしまうものです。油と水をなじませる、石けんの界面活性剤成分は、脂肪酸カリウムと脂肪酸ナトリウムです。一方、“合成洗剤”は石油、植物油に高温、高圧をかけ、複雑な工程でつくられるために、分解しにくく薄まってもその界面活性作用が安定して続きます。合成洗剤の界面活性剤はLASと呼ばれる直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩やポリオキシエチレンアルキルエーテルなどです。この直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩やポリオキシエチレンアルキルエーテルは、「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」、略してPRTR法の対象となる化学物質です。合成洗剤は皮膚障害、内臓障害、発がん作用、環境ホルモン作用、これは内分泌撹乱作用とも言われており、タンパク質への吸着性が高く、皮膚からの浸透性が高いという性質があります。その毒性成分が皮膚から体内に浸透し、蓄積されていきます。排水についてみれば、川、海の微生物や魚の体内に入っていくということです。

 現在公共下水道がほぼ完備し、家庭排水による河川の汚染は減少しましたが、海への出口の下水処理場では、東京農工大教授高田秀重氏によれば、合成洗剤のLAS、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩は分解されるとは言っても、一次分解なだけで中間産物になるすぎない、とのことです。

 水道水の85%を主水源として地下水を使用している座間市は、自然環境の恩恵を日々受け、排水に特に責任を持つべき立地環境にあることからも、石けんに切り替えていく必要があります。

 2002年から2003年にかけて、市民グループ「座間の学校給食を考える会」の働きかけが実り、市内全小学校の給食室で石けん洗浄の試行が行われました。うち1校は2週間で中断し、実際10校での実施でした。実施の期間、洗浄の対象は学校により様々、食缶パン缶とお盆を行う学校がりましたが、お盆だけの学校、食缶だけの学校、がほとんどであり、当時のアルマイト食器のお椀の洗浄に取り組んだのは2校だけでした。試行の状況は、換気が悪く、ボイラーの不調な学校が多く、高温での洗浄が難しいことも要因となってか、油落ちの悪さ、排水枡のつまりなどの課題が出て、翌年は試行は行われませんでした。現在石けん使用については、各校の栄養士さん調理員さんに任されており、使用の拡大のないまま今に至っています。

 多くの学校で見られたシンクへの石けんかすの付着と石けんかすの発生については、石けんを使用するうえでは当然出るものです。排水桝のつまりの課題については、大和市は排水枡、グリストラップの洗浄回数を増やすことで解決しています。当時、座間市の試行の際、石けん洗浄を実施している自治体に石けんを納入している石けんメーカーに手順を学ぶのではなく、複合石けんメーカーのアドバイスをもらって実施したことが、課題解決に至らなかったのではとも捉えています。大和市では、担当職員が先進の横須賀市に研修に行き、その後、大和市の給食現場で一緒に2ヵ月間試行したとのことを聞きました。

座間市においても、どうしたらできるのかという観点から、先進自治体へ視察に行くことを問いました。給食室が各校違うため、視察にはいかないが、考えてはみるとのという答弁があったので、教育委員会の動向を注視していきます。