プラスチックの削減と容器包装リサイクルシステムを超えた廃プラステック処理システムの構築を!

プラ削減や現状の容リの仕組みの課題を熱意を持って語ってくれた要リ協会の雨谷さんと清水さん

   2月6日、神奈川ネットプラスチックプロジェクトメンバーで、午前中はプラスチック関係会社17社と3団体の会員からなりプラスチックデータ集積を行なっている「一般社団体法人プラスチック循環利用協会」、午後は自治体の容器包装廃棄物を受け、再生事業者に委託している「日本容器包装リサイクル法協会=略称容リ協会」を伺い、利用協会の富田さん、容リ協会の課長の清水さん、副部長の雨谷さんにお話を伺いました。

プラステックの生産・廃棄・再資源化フロー マテリアルとケミカルリサイクルは3割以下 
 再生樹脂を含め生産されている推計約1050トンのプラスチックのうち、廃プラスチックの処理過程において、マテリアル(材料)リサイクルは28%、高炉・コークスの代わりやガス化となるケミカルリサイクルは4%とわずかです。固形燃料やセメント原料となったり発電熱利用となるサーマルリサイクルは56%を占め、エネルギー回収とならない単純焼却は17%にもなります。事業系の産廃となる廃プラスチックは主に製造過程で出される単一プラでありマテリアルリサイクル率が高くなりますが、可燃ごみに紛れて自治体焼却炉に搬入される事業系のプラスチックは資源化されません。

容リ協会に廃プラを引き渡していない自治体もまだまだある!
 神奈川県内はほとんどの自治体が容リ協会に容器包装プラステックを引き渡していることもあり、その処理は当たり前ととらえてきましたが、引き渡し自治体は64%、人口カバー率75%とのこと。他県東京都や千葉県では半分くらいは引き渡さず燃やしているとのことを聞き驚きました。これは、収集、中間処理施設を建て、そこで分別、ベール(1立方メートルの四角い形)に梱包という多額費用がかかるため、二の足を踏む自治体が多いとのことでした。

マテリアルリサイクル処理の半分は残渣さに!
 これらプラステック総体の中で、市民の出す自治体回収の容器包装プラスチックはマテリアルリサイクルかケミカルリサイクルの処理がされ、50%の上限でマテリアルリサイクルが優先されています。しかし、プラスチック再生事業者のJFEプラリソースのヒヤリングで知ったのは、マテリアルリサイクルでは処理の過程で約半分は残渣となり産廃として処理されるということでした。

廃プラの排出状態に応じてリサイクル手法の選択を
 そこで、容リ協会の清水さんにマテリアルリサイクル優先の理由を尋ねたところ、これまで審議会で議論がありながらも、マテリアルリサイクル事業者に中小事業者が多いことや既得権益があること、また自治体としてはマテリアルリサイクルの方が市民に説明しやすいなどから、このルールが続いているとのこと。しかし、残渣の処理は単純焼却・埋め立てを禁じられていることから、国内処理限定のRPF(廃プラと紙資源と木くずからつくる固形燃料。紙と木くずを入れてカロリーを低く抑えている)やセメント材料として有効活用されているそうです。しかし、ケミカルリサイクル(事業者は大手3社にのみ)は、残渣が出ないことやCO2やエネルギー資源削減効果に優位性があります。素材の質や汚れ具合など排出状況により、どちらのリサイクル手法を取るか決めることが有効であると考えます。

なぜ毎年再生事業者が変わるのか
 毎年再生事業者の入札を行うことは、再生事業者には安定的な事業を行いにくいものとなります。しかし、容リ法システムの財源を負う(プラステック1㎏当たり50円を協会に支払う)容器包装を製造・利用する特定事業者は、マテリアルリサイクルの入札価格が高いと、安くなるよう毎年の入札を望んでいることです。単価は下がり続け、現在は再生事業者が減ってきているというのです!

圏域での排出・運搬・再商品化を
 川崎市のJFEプラリソースのヒヤリングで知ったのは、遠く札幌市の容器包装プラステックを取りに行っているということでした。運搬は再生事業者が負い、運搬費用を入れた入札価格となっているため生じたこととのこと、北海道は再生事業者の少ない問題があること、実際近場の事業者の方が運搬費用の点で有利となっているので落札となるとのことでした。しかし、環境負荷の観点から運搬エネルギーをかける仕組みは小さくすべきです。再生事業が継続できる価格設定を含め、関東圏や東北圏など圏域での循環システムをつくる必要があります。

製品プラ含めた石油製品の循環型システムを
 特定事業者からは、製品プラスチックも回収対象にすることや石油加工製品関連事業者にも再生システムへの拠出金を求めるべきとの意見があるそうですが、製品プラスチック等を含めた循環システムをつくっていく必要があると考えます。自治体により独自で製品プラスチック資源化を実施していますが、まずは、現在の容リ法システムから、素材と排出状況に合わせた化石資源への依存を減らす廃プラスチックのリサイクルシステムを構築していくことが必要と考えます。

バイオマスプラと生分解プラの処理
環境省は7月からのレジ袋有料化に際し、バイオマスプラが25%以上含まれているものや生分解性プラのレジ袋は無料配布が認められるとしました。しかし、これらの袋が現在のマテリアルリサイクルに混入してしまうと大変な支障が出てしまうとのことです。全面的にレジ袋は禁止すべきですし、現在の容リ法システムを継続していくのであれば、使用小売店は独自回収システムをつくる必要があります。

プラスチック製品総体の削減体制を
2007年にプラスチック製容器包装を固形燃料等の原材料として利用するサーマルリサイクルをリサイクル手法として認め、昨年5月のプラステック資源循環戦略でも再生利用、それが技術的経済的 な観点等から難しい場合にはと熱回収によるエネルギー利用を含めています。熱回収によるエネルギー利用をも認めていくのであれば、プラスチックの削減政策を進めるべきです。